【副業の経費】どこまでOK?知らないと損する経費の考え方【按分】

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「家賃や電気代ってどう扱うの?」
「スマホやコーヒー代も経費になるの?」
「開業準備に使ったお金は?」
「家事按分ってなに?」

経費の判断基準は、副業を健全に続けていくうえでとても重要です。
なぜなら、経費の扱いひとつで税金が大きく変わるからです。

経費の判断をあいまいにしていると、税務調査のときにトラブルにつながります。

この記事では、副業初心者が知っておくべき経費の判断基準と按分の考え方を解説していきます。


目次

そもそも法的な「経費」とは?

まずは法的な根拠から。

国税庁によると必要経費とは

必要経費の定義

事業所得、不動産所得および雑所得の金額を計算する上で、必要経費に算入できる金額は、次の金額です。

(1)総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額

(2)その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額


原文を整理します。

要約すると

必要経費にできるのは
(1)事業収入を得るために直接かかったお金
(2)事業を運営していく上でかかったコスト(管理費・販促費など)

副業に当てはめると

(1)収入に得るためにかかった直接的なコスト

これは「その収入を得るために、明らかに使ったお金」のこと。

たとえば
  • ブログ運営で稼いだ
    → サーバー代・ドメイン代
  • せどりで売上があった
    → 仕入れた商品の原価・送料
  • ライター案件で報酬を得た
    → 書くために買った資料の本代

「これがなかったら収入が発生してない」と言える費用です。

(2)副業をやる上で必要な運営コスト

こちらは、「直接収入には関係ないけど、副業を運営していくために必要なお金」です。

たとえば
  • 副業に使ってるスマホやネット代
  • 作業中に使うノートや文具などの消耗品
  • クライアントと打ち合わせするカフェ代
  • 副業に関するセミナーの受講料
  • 副業専用の会計ソフトの利用料

「今すぐ売上になってなくても、副業の継続には必要」という支出です。


経費かどうか判断する4つのポイント

迷ったときは、次の視点で確認しましょう。

4つのポイント
  1. 副業と関係がある支出か?
  2. 副業に必要な支出か?
  3. 副業の売上や利益を上げるための支出か?
  4. 他人に説明できる支出か?

 税務署に「売上や利益につながる支出」だと胸を張って説明できるかが基準になります。

経費の具体的な例

実際に使用する具体的な例です。

経費の種類具体例注意点
通信費ネット代
スマホ代
プライベート分でも使用していれば按分が必要
消耗品費文房具
マウス
ノートなど
副業用途が明確なものに限る
会議費打ち合わせでの
カフェ代
一人でのカフェ代はNGの可能性あり
研修費セミナー
教材
書籍など
趣味や自己啓発系はNGになることも
交通費クライアント訪問
など
プライベートな移動は不可
光熱費電気代
ガス代など
自宅作業なら按分が必要
家賃作業スペースに
使っている自宅
按分して経費計上する必要あり

按分(あんぶん)とは?

按分とは、「この支出のうち○%は副業のために使いました」と副業用とプライベート用を分けることです。

按分が必要な経費

たとえば
  • 自宅の家賃(作業部屋として使っている場合)
  • スマホ代(プライベートと副業で兼用している場合)
  • ネット代(プライベートと副業で兼用している場合)

按分の3つの考え方

① 面積(スペース)按分

対象例:家賃・光熱費など
  • 副業で使っている部屋やスペースの面積割合で按分します。
  • 自宅全体が60㎡で、副業に使っている部屋が6㎡ → 10%を経費に。

固定費に適していて、比較的シンプルに計算できます。


② 時間按分

対象例:スマホ代・インターネット代など
  • 業務で使った時間と、プライベートで使った時間の割合で按分します。
  • 1日のスマホ使用時間が5時間、そのうち副業での使用が2時間 → 40%を経費に。

通信費や電気代など、使用時間に波があるものに適しています。


③ 使用目的按分

対象例:車両費、消耗品費など
  • 副業とプライベートで使った回数・頻度・目的に応じて割合を決めます。
  • 印刷用紙を月に100枚使い、うち70枚が副業用 → 70%を経費に。

回数ベースで算出したいときに便利です。記録があると説得力が増します。

按分しないとまるごと経費として認められない

ノートパソコンを購入して、ほとんど事業で使うから全部経費にした場合、税務調査でプライベートでも使っていると指摘されたとき、まるごと否認されることがよくあります。

少しでのプライベートで使っているのであれば90%は事業用、10%はプライベート用として按分しておけば率を変えられることはあっても、まるごと否認されることはありません。


按分に正解はない

税法上、按分には明確な「何割でなければならない」というルールはありません。
大切なのは、合理的に説明できるかどうかです。

不安な場合はやや厳しめ(少なめ)に見積もっておくと安心です。

曖昧な記憶ではなく、使用時間の記録などが根拠があると説得力があります。

税務署に聞かれても胸を張って説明できる基準で決めましょう。


開業準備費も経費になる

「まだ収益がないけど、教材やパソコンにお金を使った」
そんな支出も、条件を満たせば「開業準備費」として経費にできます。

開業準備費の例

たとえば
  • 副業用のパソコンやソフト購入費
  • 名刺・ロゴ・Webサイト制作費
  • 副業のノウハウ本やセミナー参加費

いつの支出までが対象?

副業を始める前の支出で、明らかに仕事の準備だったものが対象になります。

計上タイミングは?

初年に一括で経費計上します。


経費にするためにやるべき4つのこと

① 領収書・レシートは保存しよう


経費にするには、支払いの証拠が必須です。レシートや領収書は捨てずにすぐ保管をします。

紙ならファイルにまとめ、電子ならスマホ撮影やアプリに取り込むと便利です。

最近は電子帳簿保存法のルールもあるので、データ保存なら日付・金額・内容がしっかり確認できる状態にしましょう。


② 「何に使ったか」をメモする


レシートに「何のために使ったか?」をメモするのも忘れずに。
特に飲食代や交通費は、相手や目的がはっきりしていないと経費として認められにくいこともあります。
・「○○社との打ち合わせ」
・「××イベントへの移動」など、ひとことメモで大丈夫です。


③ 副業専用の銀行口座・クレカを用意


プライベートと副業の支出をごちゃ混ぜにすると、後から仕訳が面倒&税務調査でも不利になります。
副業専用の銀行口座・クレジットカードを1つずつ作って、経費支払いはそちらから行うようにしましょう。
お金の流れが明確になると、確定申告の準備もスムーズになります。

おすすめの銀行口座
  • 住信SBIネット銀行(ビジネス用も対応・手数料安)
  • 楽天銀行(楽天経済圏の方におすすめ)
  • GMOあおぞらネット銀行(freeeとの連携がスムーズ)
おすすめのクレカ
  • 楽天カード(ポイント還元率が高く、明細管理がラク)
  • 三井住友カード(freeeやマネーフォワードとの連携◎)
  • アメックス・ビジネスカード(経費特化&サポートも充実)※副業の規模が大きめな方向け

副業のスタイルや規模に合わせて、自分に合った組み合わせを選びましょう!


④ 会計ソフトで日々の記録をラクに


帳簿づけ自体は面倒なのですが、今はクラウド会計ソフトがあるのでめちゃくちゃ簡単です。
銀行口座やクレカと連携すれば、明細が自動で取り込まれ、設定をすれば仕訳もほぼ自動でしてくれます。

おすすめの会計ソフト
  • freee(初心者でも直感的に使える/スマホアプリも優秀)
  • マネーフォワード クラウド確定申告(見やすいUIと豊富な連携先が魅力)

どのソフトも無料お試しプランありなので、まずは使い心地を比べてみるのがおすすめです。

領収書やレシートをなくしても諦めない

所得税法では、領収書やレシートのあるなしで経費と認めるかどうかの記述はありません。

いついくらどんな目的で支払ったかを証明できて、それが事業に必要なものであれば経費にすることができるとされています。

以下の3つが認められやすいです。

クレジットカードの明細

クレジットカードの明細でも支払いの証明ができるので、何のために使ったかの説明ができれば経費として認められることが多いです。

金額が小さければメモでもOK

金額が小さい場合、いついくらどんな目的で支払ったかのメモがあれば経費として認められる可能性があります。

支払先にお金を受け取ったと書類を作成してもらう

領収書の再発行ができない場合でも、お金を受け取ったという書類は書いてくれる場合がありますので、それを使えば経費として認められるでしょう。


やりすぎは逆効果になる

なんでもかんでも節税目的で経費にすることは絶対にしてはいけません。
あとから来る税務調査で過少申告加算税や悪質な場合は重加算税を課さられたりと大変な目にあいます。

要注意ポイント
  • 証拠がない支出はNG
  • プライベートな出費を混ぜると脱税扱いに
  • 無理な経費計上は税務調査リスクを高めます

答え合わせは“税務調査”

副業の経費に関して「これくらいなら大丈夫でしょ」「他の人もやってるし…」と安易に考えてしまうのはとても危険です。

なぜなら、あなたの経費の判断が本当に正しかったかどうかの“答え合わせ”は税務調査のときに行われるからです。

税務署が調査に入った場合、経費については以下のような点がチェックされます。

見られるポイント
  • 副業との関係が明確か?
  • 経費にした理由が説明できるか?
  • レシートや領収書がしっかり保管されているか?
  • 按分の計算根拠が妥当か?

もしここで「説明できない」「証拠がない」「業務との関係が曖昧」という状態だと、経費として否認されたり、追徴課税を受けたりするリスクがあります。

税務調査はいつ来るかわかりません。だからこそ、日頃からの備えが重要です。

日ごろからの備え
  • 使った目的を明確に記録する
  • 領収書や証拠をしっかり残す
  • 自信を持って説明できる支出だけを経費にする

まとめ

副業における経費とは、「収入を得るために必要な支出」であり“胸を張って事業のためだと言えるか”が最大の判断基準です。

押さえるポイント
  • 曖昧な支出は「按分」や「記録」でリスク対策
  • 経費を正しく管理すれば、合法的に節税できる
  • 事業としての意識を持つことが大切

経費の管理は、“副業をちゃんとビジネスとしてやっている証明”でもあります。
自分を守るためにも、普段からしっかりとした経費管理を心がけましょう。




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