副業を始めたサラリーマンの方で
「確定申告って必要?」
「何から始めたらいいの?」
「簿記がまったくわからない」
と不安に思う方が多いとおもいます。
本業・副業で忙しい中、複雑な税金の手続きをこなすのは大きな負担になります。
この総まとめ記事では、副業初心者サラリーマンに向けた、確定申告とは?から
30分でラクに申告を終わらせる方法まで、わかりやすく解説します。
- 確定申告とは何か
- 副業したら確定申告が必要なのか
- 確定申告の流れ
- 記帳から申告まで楽に一気通貫できる
のはクラウド会計ソフト - 税務署に行かずに自宅で申告
- 副業×確定申告の注意点
確定申告の基礎と流れをつかんでクラウド会計ソフトを使えば
税金や簿記のことを知らない私でも自宅から30分で確定申告書を提出できました。
確定申告の基礎知識
確定申告とは
確定申告とは、1年間(1月1日〜12月31日)にどれだけお金を稼いだか、いくら税金を払うべきかを自分でまとめて、税務署に報告する手続きのことです。
サラリーマンは、年末調整で会社が税金を精算してくれるので、自分で確定申告をする必要はありません。
しかし、給与以外に副業で20万円以上所得(利益)がある人などは確定申告が必要になります。
- 払いすぎた税金が返ってきたり(還付)
- 逆に足りなかった分を払ったり(追加納税)します。
つまり、1年間のお金の動きをきちんと整理して、国に正しく申告する大事な手続きになります。
確定申告が必要な人
確定申告が必要となるサラリーマンは以下のようなケースです。
対象者 | 条件 |
---|---|
給与所得者 | ・年間給与収入が2,000万円を超える場合 ・年末調整をしていない場合 ・年末調整で控除できない控除を受けたい場合 (医療費控除、住宅ローン控除(初年度)、ふるさと納税など) |
給与所得者 (副業あり) | ・副業による所得が年間20万円を超える場合 |
給与所得者 (複数の給与収入) | ・2箇所以上から給与を受け取っていて いずれの勤務先でも年末調整を受けていない場合 |
このように、副業による所得がある場合や、特定の控除を受けたい場合には、確定申告が必要となるため、自身の状況を確認することが重要です。
年末調整は、あくまで給与所得に対する所得税の精算であり、それ以外の所得がある場合は確定申告が必要となります。
収入とは
1年間に得たお金の総額を指します。給与、売上、報酬など、仕事などで得たすべての金額が対象になります。
まだ必要経費や控除が引かれる前の状態です。

所得とは
収入から、その収入を得るためにかかった必要経費を差し引いた金額が所得です。
副業なら売上から仕入れや交通費などの経費を引いた「本当のもうけ」が所得となります。

課税所得とは
この所得から、さらに個人の状況に応じて適用される所得控除(基礎控除、扶養控除、配偶者控除、社会保険料控除など)を差し引いた後の金額です 。

所得税額とは
この課税所得に所得税率を掛けて税額控除額を引いて、実際に納めるべき所得税額が計算されます 。
このように、税金の計算は、まず収入から必要経費を差し引いて所得を求め、さらに所得から各種控除を差し引いて課税所得を算出し、税率をかけて所得税額を出すという段階を経て行われます。

まとめてみると
収入 → 経費を引く → 所得 → 控除を引く → 課税所得 → 税率をかけて税額控除額を引く → 所得税額

所得にはどんな種類がある?
所得は10種類に分けられています。
所得の種類 | 内容 |
---|---|
給与所得 | 会社から得た給与 |
事業所得 | 事業から得た所得 |
不動産所得 | 建物や土地を貸して得た所得 |
利子所得 | 銀行の預金などの利子 |
配当所得 | 配当銘柄株からの配当金 |
譲渡所得 | 不動産や株を売って得た所得 |
一時所得 | 懸賞の賞金・保険金など |
雑所得 | 他のどれにも該当しない所得 |
退職所得 | 退職金からの所得 |
山林所得 | 山林を売って得た所得 |
副業はどの所得になる?
副業の所得は、事業所得または雑所得に分かれることが多いです。
- 事業所得
継続的にビジネスとして取り組んでいる場合 - 雑所得
本格的な事業とまでは言えない小規模な活動の場合(趣味に近い副業)
事業所得と雑所得の違い
副業で稼いだお金が、事業所得になるか、雑所得になるかはとても大事なポイントです。
なぜなら、使える控除や所得税額が大きく変わるからです。
事業所得 | 雑所得 | |
---|---|---|
規模・内容 | 継続的で本格的なビジネス | 小規模・趣味に近い活動 |
青色申告できる? | できる(最大65万円控除) | できない(白色申告) |
税金面のメリット | 経費が広く認められ、節税できる | 経費の範囲がやや狭い |
事業所得と雑所得の判断ポイントについて、以下の記事にまとめました。

確定申告の流れ
副業の確定申告の流れは
1. 記帳する
まず1年間の収入と支出を正確に記録することから始まります。
記帳がわからない場合や時間をかけたくない場合はクラウド会計ソフト一択です。
以下の記事に帳簿のつけ方をまとめました。

2. 必要な書類を準備する
次に、確定申告に必要なものを準備します 。
1. 収入を証明するもの
- 給与所得の源泉徴収票
会社からもらえる1年分の給与などが記載 - 副業の支払調書
副業先から支払われた報酬額の証明 - 売上帳や取引明細書
自分でまとめた記録(クラウド会計ソフトで作成)
2. 経費を証明するもの
- 領収書・レシート
仕事に使ったお金の証拠(パソコン代、交通費など) - 請求書・支払明細
取引先に発行した・受け取った請求書や明細書
3. 控除を受けるためのもの
- 医療費の領収書
病院や薬局に支払ったお金がある場合 - 住宅ローン控除関係書類(初年度のみ)
住宅ローンの年末残高証明書
住宅借入金等特別控除額の計算明細書など - ふるさと納税の受領証明書(ワンストップ特例を除く)
寄付先から送られてくる証明書
4. 帳簿(クラウド会計ソフトで自動作成できます)
- 仕訳帳
日々の収支取引の帳簿をつけたもの - 青色申告決算書
青色申告する人専用の帳簿まとめ - 収支内訳書
白色申告する人向けの単式帳簿まとめ
5. その他必要なもの
- マイナンバーカード
e-Taxで本人確認をおこなうために必要 - 銀行口座情報
還付金の振込先(本人名義のもの)
【ポイントまとめ】
- 収入の証拠
- 経費の証拠
- 控除を受けるための証拠
- 証拠をもとに作った帳簿
- 申告に必要な帳簿と本人確認書類
これだけの準備をエクセルやノートで管理することは非効率ですので、freeeなどのクラウド会計ソフトを使用することをおすすめします。

3. 申告方法を決める
確定申告は 3つの方法で提出できます。
申告方法 | 特徴 |
---|---|
1.e-Tax(電子申告) | 早くて便利。還付金の振込も早い。 |
2.確定申告書を作成し郵送 | インターネットが苦手な人向け |
3.税務署の窓口で申告 | 直接税務署に持っていく。 |
おすすめはe-Tax(電子申告)
e-Taxはクラウド会計ソフトとマイナンバーカードがあれば、PCやスマホから簡単に申告できます。
4. 確定申告書を作成して提出する
確定申告書の作成はクラウド会計ソフト一択
日ごろからクラウド会計ソフトで帳簿管理していれば、確定申告書の作成は30分ほどで完了します。
freeeなら、インターネット経由(e-Tax)で収支の記録から申告書作成→提出まですべてソフト内で完結できるので、特別な知識がなくても一気通貫できます。
税務署に行く必要もなく、自宅からスマホやパソコンで送信できるので、時間と手間を大幅に節約できます。
申告期限
申告期間は毎年原則2月16日~3月15日です。
※期限を過ぎると「延滞税」がかかるため、必ず期間内に提出しましょう。
青色申告と白色申告の違い
副業をしていると、確定申告のときに「青色申告」か「白色申告」かを選ぶ必要があります。どちらを選ぶかで、税金の負担や手間が大きく変わります。事業所得として申告するなら青色申告一択です。
青色申告とは?
青色申告は、事業所得がある人が使える特別な申告方法です。(※雑所得は対象外)
- 最大65万円の「青色申告特別控除」が受けられる
- 家族に払った給与も経費にできる(青色事業専従者給与)
- 事業で赤字が出たら、他の所得と相殺したり(損益通算)
翌年以降に損失を繰り越せる(純損失の繰越し)
ただし、青色申告を使うためには
- 複式簿記というルールに沿って帳簿をつける
(クラウド会計ソフトを使えばかなり楽) - 事前に税務署に「青色申告承認申請書」を出す
という条件があります。
白色申告とは?
白色申告は、青色申告の条件を満たさない人が選ぶ方法です。
対象:事業所得の方
雑所得の方(前々年分の雑所得の収入金額が300万円超の方も帳簿付けが必要です)
- 特別な申請なしでOK
- 記帳も比較的カンタン(単式簿記でOK)
ただし、白色申告には
- 65万円控除などの大きな節税メリットはない
- 白色申告でも帳簿づけ・保存が必要
という点には注意が必要です。
どっちを選べばいい?
本気で副業を育てたいなら青色申告
とにかく手軽にやりたいなら白色申告
青色申告 | 白色申告 | |
---|---|---|
節税効果 | ◎(最大65万円控除) | △(特典なし) |
手間 | やや多い(複式簿記) | 少なめ(単式簿記) |
事前手続き | 必要(青色申告承認申請書提出) | 不要 |
ですが、どちらにしても帳簿付けが必要なのでクラウド会計ソフトを使って青色申告がベターです。
確定申告を楽にする3つのポイント
パソコン・スマホで完結させる
確定申告は、紙に手書きして税務署に持参するよりも、パソコンやスマホでデータ送信(e-Tax)したほうが圧倒的にラクです。
自宅にいながら申告が完了し、手間もミスも大幅に減らせます。
クラウド会計ソフトで全部やる
副業の収入・経費管理は、クラウド会計ソフトを使えば自動化できます。
銀行・クレカの明細取り込み、レシート読み取り、仕訳作業まで自動でおこなえます。
日常からコツコツ管理しておけば、確定申告時もバタバタしません。
このサイトを見ながら準備する
このサイトでは、サラリーマン副業初心者向けに、確定申告だけではなく副業や税金、転職、投資などの必要な情報をわかりやすくまとめています。
体系立てて記事を構成していますので、わからないことがあれば参考にしていただけたらうれしいです。
副業×確定申告の注意点
確定申告においてのあまり目立たない注意点がいくつかあります。
20万円ルールとは?
よく耳にする「20万円ルール」とは、副業などで得た所得(収入−必要経費)が年間20万円以下なら、所得税の確定申告が不要になるというものです。
よく間違われる点は
- 所得(収入ではなく、収入−経費の金額)で判断する
- 複数の副業をしている場合は合算して考える
- 所得税の申告が不要でも、住民税の申告は必要
20万円以下だからといって無申告でOKなわけではないので注意が必要です。
副業所得20万円以下でも確定申告するなら申告する必要がある
医療費控除や住宅ローン控除の初年度の控除などを取りたいとき、確定申告をする必要があります。
その時に副業の所得が20万円より少ないから、これは入れなくていいと勘違いされる方が多いです。
確定申告をするなら、すべての所得を申告する必要があります。
「これは申告して、あれは申告しない」のような、おいしいとこどりはできないということです。
住民税の申告も忘れずに
副業の所得が少額で、所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告は必要です。
住民税は翌年に市区町村が課税するため、所得があることを伝える義務があります。
- 所得税の確定申告をすれば、自治体に自動で情報連携される
- 所得税の確定申告をしない場合は、市区町村役場で住民税の申告が必要
書類保管は超重要
副業で確定申告をするなら、証拠書類の保管は必須です。
領収書や請求書などの証拠書類はしっかり保管しましょう。
帳簿や根拠となる領収書や請求書などそれぞれ細かい決まりがありますが
一括して7年間保管していれば間違いないでしょう。
住民税は「自分で納付」に
会社に副業がバレる最大のきっかけは、「住民税」です。
副業の確定申告をする際に
「特別徴収(会社の給料から天引き)」を選ぶと、副業分の住民税まで会社に通知が行ってしまいます。
※何も選ばないと自動的に特別徴収になってしまうので注意。
これを防ぐには、確定申告のときに
【住民税の徴収方法】で「自分で納付(普通徴収)」にチェック
することで、副業分の住民税を自分で納付する形になり、会社にバレにくくなります。
詳しくは以下の記事にまとめています。

まとめ|副業サラリーマンの確定申告は「早め×自動化」でラクに乗り切ろう
副業をしているサラリーマンにとって、確定申告は避けて通れない大切な手続きです。
特に、副業の所得が20万円を超える場合や、医療費控除・住宅ローン控除を受けたい場合には、確定申告が必要になります。
でも、帳簿づけ・申告書の作成などやることは意外と多く、放っておくとかなりの負担に。
- 確定申告の基本と流れを知る
- クラウド会計ソフトを使って帳簿付けを自動化する
- 確定申告は税務署に行かず、スマホやPCでe-Tax提出する
- 副業バレ対策には住民税の「自分で納付」にチェック
freeeのようなクラウド会計ソフトを使えば、スマホだけで仕訳から申告書作成・提出まで一気に完結できます。
税金や簿記の知識がなくても、ガイドに沿って進めるだけで30分ほどで完了するのも大きな魅力です。